先進企業に学ぶ企業アーカイブの取り組み(2)

先進企業に学ぶ企業アーカイブの取り組み(2)

現物資料は劣化する

私は大学でマーケティングを専攻していました。
以前勤めていた私立大学は、何でも教えろと教員に要求します。
普通大学では、専門以外のものを一つは教えなさいといいます。
そこで、マーケティングの授業を持っていたのですが、今日はその延長線上の話しをさせていただくつもりです。
最初は3つくらいの会社に触れようかと思っていたのですが、時間の都合で資生堂の話をさせていただきます。
アーカイブとはなんだろうかとよく考えると、地元というか、足元にあるものをそのまま残し、伝え、それが世の中の財産になるのだということが、だんだん分かってきたのです。
そのことをお伝えさせていただこうと思います。
資生堂は随分前からアーカイブに取り組んできたのですが、それをどのように活用してきたかということを、先進的な事例として説明させていただきます。

実は今、津山市史の編さんに携わっています。
そこで実際にアーカイブを活用するというのはどのようなことをするのか、それも簡単にお話しさせていただこうと思います。どうぞよろしくお願いします。

皆様にお配りする資料がありませんので、パワーポイントの内容を読み上げます。
本当は、こうした発表の仕方が一番へたくそなのですが。

まず今さらですが、企業アーカイブとは何かという定義です。
よく言われている定義ですので皆様ご存じだと思いますが、「過去から現在にわたり、蓄積・収集・保存・公開・活用されてきた記録、史料・資料、そして収蔵品、および、それらをデジタル化した資料」です。
今はデジタル化が中心になっています。現物資料は劣化しますし、なかなか公開が難しいものもあります。
それで、デジタル化すればそれを一般公開できますし、印刷するにしても、ポスターを作るにしても、チラシを作るにしても、すぐに活用できますので、やはりデジタル化はこれからの時代の主流だろうと思います。

もう一つは、「継続的に発行してきた機関誌や広報誌」です。
例えば、産業考古学会は『産業考古学』という学会誌を出しているのです。
これに、いろいろな研究者の論文、調査報告、ニュースが出ます。
こういった情報や研究成果がどこで活用されているか。
例えば、文化財の登録にも活用されることがあります。
今は登録有形文化財という制度があり、それはまず都道府県が中心になって行うものなのですが、その申請のときにも、こういった資料が役に立つ場合があります。
これが企業アーカイブの定義と同義だろうと思います。

それから、「アーカイブの保存と公開が持つ意味」と書かせていただいたのですが、企業の資料を保存管理して、次の世代に伝えていく。
要するに、歴史をつないでいくということが一番大きなファクターだと思います。
あとは、利活用する。これは先ほどの文化財と同じです。文化財は保存すればいいというものではなくて、活用していくらと言われています。
特に、登録有形文化財はそういう特性を持っています。

11月16日の企業アーカイブセミナーで展示された社史や現物資料の数々

11月16日の企業アーカイブセミナーで展示された社史や現物資料の数々

 

産業考古学会理事/Business Archives Lab.主任研究員
小西伸彦


先進企業に学ぶ企業アーカイブの取り組み(1)

先進企業に学ぶ企業アーカイブの取り組み(2)

先進企業に学ぶ企業アーカイブの取り組み(3)

先進企業に学ぶ企業アーカイブの取り組み(4)