『林源十郎商店物語』が完成。
林源十郎商店は、明暦3年(1657)に倉敷で創業して薬業を営む。
昭和18年に林製薬株式会社に改称し、アジア・太平洋戦争を経た昭和25年に製薬事業から撤退して卸事業に専念し「株式会社林源十郎商店」となる。
昭和39年には林薬品株式会社に名称変更し、平成9年にオーク薬品株式会社と合併して現在の「株式会社エバルス」となった。
創業から約360年となるが、本書は創業から昭和25年までの約300年の歴史を紹介している。
社史の編さんが始まったのは、会社の合併や事務所の移転が続いて古い資料の紛失を危惧し、今のうちに分散している資料を集め、これまでの会社の歩みを留めておきたいという、元社長からの声などがあったから。
社史としてまとめておけば、新しい社員に伝えることができ、自分の会社の誇りを持って仕事に励んでもらえるという、OBの気持ちもあった。
編集委員会は、平成15年に株式会社エバルスのOBと社員で発足し、社史の編纂に取り組んできた。
弊社が編集に参加したのは約5年前。
編集委員会から弊社に声がかかったのは、会社の歴史が江戸から昭和までの倉敷の歴史と密接に関係していることから、歴史分野の専門家の監修をお願いしたいという依頼を受けてからのこと。
OBの方が作成した原稿をベースに、監修者と相談しながら、専門分野の事柄は執筆を7人の研究者にお願いした。
歴史研究の専門家による監修と執筆をお願いできたことで、1社の社史にとどまらず、地域の歴史の新しい側面も紹介することができた。
編集員からは、社員やOB、取引先の方だけでなく、広く地域の方々にも興味を持ってもらえる内容にすることができたと評価をいただいた。
そこで、一般の方々も読めるようにと、一部を書店で販売することにした。
書籍の仕様は、B5サイズ、並製本、巻きカバー、函入り、オールカラー225ページ。
巻末の資料編には、年表をはじめ、古文書や書簡、古写真、家訓、製造していた資料価値の高い医薬品の写真などを収録している。
事例紹介:林源十郎商店物語