アーキビストとは——
「アーキビスト」————まだあまりなじみのない言葉かもしれません。
英語の「アーカイブ(archive)」には、保存した記録やその記録の保管庫とか史料館という意味があります。
コンピュータの分野でも「アーカイブ」という言葉は使われ、この場合は長期に、そして安全にデータを保管するという意味で使われます。
データを一時的なトラブルを回避する「バックアップ」とは違い、長期保存することです。長期とは数十年、100年を超えて数百年の場合もあります。
アーキビストはアーカイブから派生した言葉。
このアーキビストについて『これからのアーキビスト』(NPO知的資源イニシアティブ編)には、「対象としての文化・社会・学術資料等のデジタルアーカイブ化についての知識と技能を持ち、文化活動等の基礎としての著作権・プライバシーを理解し、総合的な文化情報の収集・管理・保護・活用・創造を担当できる人材である」とあります。
資料のデジタルアーカイブ化とその活用に関する事業を行っている「NPO法人日本アーカイブ協会」では、デジタル・アーキビストは「デジタル化についての知識と技能を持ち合わせ、文化活動の基礎としての著作権・プライバシーを理解し、総合的な文化情報の収集・管理・保護・活用・創造を担当できる人のこと」としています。
同協会では人材の養成も行い、「NPO法人日本デジタル・アーキビスト資格認定機構」が試験をして認定をしています。
私は、この資格認定機構の認定を受けました。
デジタル・アーカイブについて、同協会は「有形無形の歴史・文化資産などを対象に、デジタル方式で記録し、データベース技術を用いて保存、蓄積し、ネットワーク技術を用いて活用すること」とあります。
つまり、アーカイブでは現物そのものを保存するので、現物のある場所に行かないと見ることができません。
デジタルアーカイブでは現物のある場所まで行かなくてもデジタル化された歴史・文化資産を閲覧、活用することが可能になります。
現在、公文書館や博物館、美術館などでも、収蔵物のデジタルアーカイブが構築されることが多くなり、インターネットでの閲覧や検索ができるようになりました。
例えば、「文化庁文化遺産オンライン」「国立国会図書館デジタルコレクション」などで、実際にネット上で見ることができます。
ネットで公開する、しないにかかわらず、デジタル化してアーカイブの構築のために、編集をしていくのがデジタル・アーキビストです。
金澤健吾(かなざわ けんご)
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